
自分のことで、普段は言えないことでも、ありのまま話せたのがよかった。
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石川県と石川県がん診療連携協議会が発行したがん全般の情報
ピア(peer)は仲間のことで、ピアサポートは同じような経験をした人同士で支え合うことです。
小児がんでは、本人の年齢や成長段階、家族への影響などから、悩みや戸惑いが長く続くことがあります。
同じ病気でも経験は一人ひとり異なりますが、共通点を見出すことで「ひとりじゃない」と感じたり、経験を分かち合う中で「自分にもできること」を見つけることが、これからの生活を自分らしく生きていく力につながります。
◆ 小児がん経験者と家族の会くるみカフェ
小児がんを経験した子ども・きょうだい・保護者が集い、交流や学びの時間を持つ場
リンク:くるみカフェブログ
◆ はなうめ青年部
がんを経験して思春期・若年成人期を生きる人のためのピアサポートの場
(小児がん経験者も参加)
リンク:青年部ブログ


自分のことで、普段は言えないことでも、ありのまま話せたのがよかった。
(小児がんを経験・20代男性)

みんなが話していることを、ただ聞いているだけでもこれから注意したほうがいいことが分かったりします。
(小児がんを経験・20代男性)

子どもたちが楽しめる企画をたくさん考えて下さったり、親同士の交流、不安や疑問を解決できるような専門職を招いての座談会などがあり、毎回参加して良かったと感じている
(子どもが小児がんを経験・40代女性)

同じ境遇の方ばかりなので、変に気を使わずに済んで、楽になりました。
(子どもが小児がんを経験・50代男性)

国や都道府県のがん対策では、
専門職による相談支援(医療・福祉・制度など)と同じ経験を持つ人によるピアサポートを、相談支援の「両輪」と位置づけています。
専門職の相談は、正確な情報や制度につながるために重要であり、
ピアサポートは、経験した人にしかわからない「気持ち」「迷い」「言葉にならない思い」も安心して共有できる場です。
どちらか一方ではなく、両方があることが、安心して暮らすための支えになります。
長期フォローアップの目的は、再発の確認だけではありません。治療の影響によって将来起こりうる体の変化(晩期合併症)を早期に見つけ、必要な支援につなげること、成長や学び、社会生活を支えることも大切な役割です。
小児がんの多くは治る時代になりました。
その一方で、治療を受けた子どもたちは、その後も長い人生を歩んでいきます。
そのため、小児がん医療では「治療が終わったあと」の健康を見守ることが非常に重要とされています。これを「長期フォローアップ」と呼びます。
小児がんの治療を受けたあと、成長や年齢の変化とともにあらわれる体調や機能の変化を「晩期障害」と呼びます。治療直後ではなく、学校生活が始まった頃や思春期、成人期になって初めて気づかれることもあります。
これは病気が再び悪くなるという意味ではなく、治療によって体に加わった影響が、時間の経過とともに形として現れてくるものです。成長する子どもでは、身長の伸びやホルモンの変化、学習や社会生活の中で気づかれることもあります。
すべての方に起こるわけではなく、また起こり方や程度も一人ひとり異なります。現在は、治療方法の改良により、こうした影響をできるだけ少なくする工夫も進んでいます。
晩期障害という言葉は不安に感じられるかもしれませんが、「将来起こりうる変化を前もって知り、適切に向き合うための考え方」として用いられています。体の変化を早めに捉えることで、生活への影響を小さくすることが可能になります
小児がんの治療は、がんの種類や使用した薬、放射線の部位などによって、影響を受けやすい臓器が異なります。すべての方に起こるわけではありませんが、次のような体の変化が知られています。

心臓の働きが弱くなることがあります。

息切れしやすくなるなど、呼吸の機能に影響が出ることがあります。

身長の伸びや思春期の変化、甲状腺の働きなどに影響が出ることがあります。

記憶や集中力、学習面での困りごととして気づかれることがあります。

腎臓の働きがゆっくり変化することがあります。

骨の成長や体力に影響がみられることがあります。

高い音が聞こえにくくなることがあります。

将来の妊娠・出産に関わる機能に影響が出る場合があります。
小児がんの治療を受けたあとは、体の状態を長く見守るために、必要に応じてさまざまな検査を行います。これは、将来起こりうる体の変化に早く気づき、日常生活への影響を小さくするためです。
行われる検査の内容は、がんの種類や受けた治療、年齢によって一人ひとり異なります。すべての検査を一度に行うわけではなく、その時の体調や成長の段階に合わせて選択されます。
主な検査には次のようなものがあります。

貧血の有無や、肝臓・腎臓の働き、ホルモンの状態などを確認します。

心エコーや心電図で、心臓の動きやリズムを確認します。

肺の働きや呼吸の状態を確認します。

成長や思春期の変化、甲状腺の働きなどを調べます。

超音波、MRI、CTなどで体の内部の状態を確認します。

音の聞こえ方に変化がないかを調べます。

集中力や記憶など、学校生活の困りごとも含めて確認します。
検査や診察の中で体の変化が見つかった場合には、その内容に応じて適切な対応を行います。すぐに治療が必要になる場合もあれば、経過を見ながら生活の工夫で対応できることもあります。
たとえば、心臓やホルモンの働きに変化がみられた場合には薬による治療を行います。成長や思春期の変化に関しては、必要に応じてホルモン補充療法を検討します。体力や運動機能に課題がある場合には、リハビリテーションや生活指導を行います。
また、学習面や学校生活で困りごとがある場合には、心理士や教育機関と連携しながら支援を進めます。就職や社会生活に関する相談に対応することも、長期フォローの大切な役割の一つです。
このように、対応は一人ひとりの状況に合わせて行われます。必要に応じて内科、産婦人科、精神科など、さまざまな専門医と連携しながら支援していきます。
体の変化が見つかったとしても、早く気づき適切に対応することで、生活への影響を小さくすることが可能です。長期フォローアップは、「問題が起きたときに支える医療」でもあります。
小児がんの治療を受けた方では、ごく一部に、将来「二次がん」と呼ばれる新しいがんが発生する可能性があることが知られています。これは元の病気の再発とは異なり、治療の影響や体質などが関係して生じると考えられています。
頻度は高くありませんが、長期フォローアップの中で定期的に体の状態を確認することで、早期発見・早期治療につなげることができます。
そのため、治療後も医療とのつながりを保つことが大切とされています。
近年、小児がん医療は「治療後の人生」を見据えた形へと大きく進化しています。長期フォローアップは、単に体の状態を確認するだけでなく、生活の質(QOL)を守る医療として重要視されています。
まず、治療の段階から将来の影響を考慮し、副作用や晩期障害をできるだけ減らす治療設計が進められています。薬の量や放射線の範囲を調整するなど、体への負担を抑える取り組みが行われています。
また、将来の妊娠・出産に関わる「妊孕性温存」についても関心が高まり、治療前から選択肢を検討する体制が整ってきています。
さらに、小児期から成人期へ医療を引き継ぐ「トランジション医療」も重要なテーマとなっています。成人後も継続して適切な医療を受けられるよう、診療科を越えた連携が進められています。
心理的な支援や、就学・就労のサポートなど、社会生活を支える取り組みも広がっています。小児がん経験者が安心して社会の中で生活できるよう、医療と教育、福祉が連携する動きが進んでいます。
このように長期フォローアップは、「体の問題に対応する医療」から、「人生を支える医療」へと発展しています。今後も研究や支援体制の整備が進み、より安心して未来を描ける環境づくりが続いていきます。